採用スケジュールは後ろ倒し傾向。新型コロナウイルスによる新卒採用への影響を調査

株式会社マイナビは2020年3月、「マイナビ2021年卒企業新卒採用予定調査」の結果を発表。新卒採用における企業の意識や、採用活動全体の動向把握を目的に毎年実施しているもので、今回の調査期間は2020年2月13日~3月6日。2月に764社、3月に296社の計1,060社より回答が得られた。これにより、新型コロナウイルス感染拡大による企業の採用活動への影響が明らかとなった。

「エントリーシート結果通知」「面接」「内々定出し」が後倒しに

新型コロナウイルス感染症が拡大し猛威を振るうなか、企業の採用スケジュールに変化や影響はあるのだろうか。具体的な影響を検証するため、本調査において2月に回答した企業と、感染拡大が大きく報道され始めた3月に回答した企業の結果を比較した。


まず、2020年卒の採用スケジュールについて、選考の各フェーズの開始月を尋ねた。前年調査の結果と比べると、2月回答の企業では全体的に「前倒し傾向」であったのに対し、3月回答の企業では「エントリーシート結果通知」、「面接」、「内々定出し」で開始時期を1ヵ月程遅らせていることがわかった。新型コロナウイルスの流行により学生との接触機会が減少したことを受け、採用スケジュールを全体的に後倒ししている様子だ。



採用予定人数は「前年並み」が最多。売り手市場が要因か

次に、2021年卒の採用予定人数について聞いた。その結果、いずれの属性でも「前年並み」との回答が最も多く、「大学(文系)」で52.4%、「大学(理系)」で50.9%、「大学院(理系)」で42.2%となった。また、「増やす」が「減らす」を大幅に上回っていることからも、近年の「売り手市場」が背景となり、企業の採用意欲は前年同様高い状態が続いていると推測できる。



「WEBセミナー」を導入する企業が増加

政府による大規模イベントの自粛要請を受け、合同企業説明会および大人数が集まる会社説明会が軒並み中止・延期となっている。このような中、企業の採用手法も変化しているようだ。


こうした状況下で「特に注力した採用手法は何か」と尋ねると、「個人面談」が36.5%と最も多かった。前年調査でも32.2%とトップではあったものの、比較すると4.3ポイントの増加となる。また、「今年から導入した採用手法」については、「WEBセミナー」が16.9%と、前年の7.3%から9.6ポイント増という結果に。学生との接触機会を創出するため、多くの企業で「接触機会における少人数化」や「WEB化」といった対策を講じているようだ。



新型コロナウイルス感染拡大が終息する気配がない中、企業においては安全に配慮しながら採用活動を行うことが現在から今後にかけて求められるだろう。

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