「社内のデータ共有」は約4割で全社共有が進むものの、約7割が運用に不満あり

多くの企業では、業務の効率化やセキュリティリスクの低減などを目的として「データ共有」の仕組みを導入していると思いますが、ツールなどの仕組みを導入しただけでは「データ共有」がきちんと機能するとは限らないとも言われています。実際に課題を感じている企業も多いことでしょう。PRO-Q会員の皆様の企業では、「データ共有環境」はどのようになっているのでしょうか。2019年1月22日~2月19日まで、アンケートで調査しました。

約4割で共有データは全社共有のオープンな環境


現在のデータ共有の運用方法に関して見ていきましょう。『必要とする自社の最新データは、主にどこから入手していますか?』という聞いたところ、最多は「全社共有なので、自分で探し出して入手」で42%、「担当者個人に依頼して入手」は31%、「担当事業部門に依頼して入手」が20%という結果でした。メーカーと非メーカー別に見ると、メーカーでは「担当者個人に依頼して入手」が43%と最も多く、非メーカーでは「全社共有なので、自分で探し出して入手」が48%とトップとなっています。

現在の環境に課題あり、約7割が落第点を付ける結果に


次に、現在のデータ共有環境について、どの程度満足しているのかを確認してみました。『理想的なデータ共有環境を「100点満点」とすると、あなたの会社は何点ですか?』という質問に対しては、「40点~60点未満」が35%、「60点~80点未満」が25%、「20点未満」が17%という結果になりました。60点を及第点とすれば、60点未満の落第点を付けた人は全体で合わせると69%にも上り、約7割の人が現状のデータ共有環境に対して何らかの課題や不満を感じていることがわかります。

課題は共有対象の取捨選択と感じている人が6割、データ量の増加で煩雑化か?


では、具体的に感じている課題は何でしょうか。『自社データを共有する上で感じる課題は何ですか?』として当てはまるものを全て選択してもらったところ、「何を共有して、何を共有しないか」が59%、「情報漏洩・セキュリティ」が42%、「上書きなどのヒューマンエラーの回避(バックアップ)」が42%と言う結果になりました。全体的に、どの選択肢も回答率は高く、課題は一つではないと感じていることがわかります。また、特にメーカーでは「何を共有して、何を共有しないか」が78%、「上書きなどのヒューマンエラーの回避(バックアップ)」が61%と、回答率が高くなっており、「多くのデータを共有したいけれど管理も煩雑化している」と感じていることが推測できます。


最後に、自社データの共有や活用について、自由なご意見を記述してもらいました。以下にご紹介します。


【共有しただけではダメ、運用に難あり】

  • とにかくさまざまな資料作成があり、その都度どのデータを使っているのかわからない。共有データを示せば、かなりの効率向上につながるのではないかと感じる(従業員数:300~1000名未満、メーカー)
  • サーバー上で、プロジェクトごとにフォルダがあるが、過去のプロジェクトからそのままコピーされているので同じファイルが無数にあることが多々ある(従業員数:300~1000名未満、商社・流通)


【管理手法と方針のバランスは悩みどころ】

  • 権限設定が煩雑で、情報システムの人員が足りていないため、タイムラグが激しい。また、部署によってデーターベースが違ったりするためそれぞれに権限移譲の連絡が必要な場合もある。(従業員数:300~1000名未満、商社・流通)
  • アクセス制限をかけた決算データや人事データ等の秘密にすべき情報と共有・活用すべきデータの区分けが十分できていない。情報漏洩等のリスクを考えると共有できるデータはある意味、どうでもいいデータになりがちであまり活用できないように思う。(従業員数:1000名以上、メーカー)
  • データ共有の可用性とセキュリティのバランスが難しい。(従業員数:300名未満、マスコミ・コンサル)


【社員の意識改革が必要】

  • 全社で質の高いデータを作り維持することの意識付けが重要。(従業員数:1000名以上、サービス)
  • リサーチデザインない、リサーチ目的がよく変わり一貫性がないのでデータを何のために集めるかがはっきりしない。そもそもデータ活用の知見もやる気も乏しいのでやらないほうがよい。(従業員数:300~1000名未満、サービス)
  • まず、弊社ではルールがあるにもかかわらず、徹底されていない。意識付けで苦労している。(従業員数:300名未満、メーカー)


【調査概要】 アンケート名称:「職場のデータ共有」に関するアンケート
調査主体:PRO-Q編集部(ProFuture株式会社)
調査期間:2019年1月22日~2月19日
調査媒体:アンケートメディア 経営PRO-Q

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