外国人労働者が増えることの肯定派が最も多いのは20代で64%、肯定派が最も少ないのは40代で43% ~外国人労働者の受入れに関する意識調査2018~
日本労働組合総連合会(略称:連合)は、外国人労働者の受入れおよび外国人との共生に対する意識を把握するため、「外国人労働者の受入れに関する意識調査」を実施した。期間は、2018年9月25日~9月26日の2日間。インターネットリサーチで実施し、全国の20歳~69歳の働く男女1,000名の有効サンプルを集計した。
約3割が自分の職場に外国人労働者が「いる」
本調査では、まず職場に外国人労働者がいるか否かを質問している。「いる」との回答は27.7%、「いない」が72.3%であった。居住地別にみると、「いる」の割合が高かった上位3地域は関東(33.0%)、東海(29.4%)、北陸・甲信越(28.8%)。最も低かったのは北海道・東北(12.1%)であった。業種別にみると、「いる」の割合が高い順に、情報通信業(47.9%)や教育、学習支援業(46.6%)、製造業(46.3%)。一方、最も低かったのは医療、福祉で14.2%。
※日本労働組合総連合会調べ
約5割が、職場に外国人労働者が増えることを「よいことだと思う」
職場に外国人労働者が増えることについて聞いたところ、「よいことだと思う」(非常によい、まあよいの合計)は51.3%、『よくないことだと思う』(非常によくない、あまりよくないの合計)は25.4%。「わからない」は23.3%。
年代別では、肯定派の割合が最も高かったのが20代で「よいことだと思う(計)」との回答が63.5%にのぼった。最も低かったのは40代で、「よいことだと思う(計))と答えたのは42.5%であった。
※日本労働組合総連合会調べ
よいことだと思う理由の1位は「人手不足を補うため」
自分の職場に外国人労働者が増えることが「よいこと」だと考えている人(513名)にその理由を聞いている。最も多かったのが、「人手不足を補うためには必要であるから」で52.2%。次いで、「外国人労働者が増えて多様な考えに触れると、新しいアイディアなどが生まれるから」が46.2%、「外国人労働者、日本人労働者と区別すること自体がおかしいから」で40.9%。
※日本労働組合総連合会調べ
「よくないこと」だと考えている人(254名)にも理由を聞いており、最も多かった回答が「自分の職場で、多言語化などの環境整備が進んでいないから」で33.5%。以降「外国人労働者の雇用より、まずは自分の雇用を優先すべきであるから」(31.9%)、「自分の雇用・労働条件、働き方にマイナスの影響があるから」(30.3%)、「自分の職場の中に外国人労働者を受け入れるという意識がないから」(24.4%)の順。職場環境の整備ができていないことを理由に挙げる人が多い結果となった。
※日本労働組合総連合会調べ
受入れ拡大が行われた場合、日本人の雇用や労働条件に影響があるのだろうか。回答者のうち49.1%が「そう思う(計)」、35.3%は「そう思わない(計)」と考えていることが分かった。業種別にみると、「そう思う(計)」の割合が最も高かったのは情報通信業で64.6%。最も低かったのは医療、福祉で40.6%と20ポイント以上の差があった。業種によって意識の違いが大きいようだ。
※日本労働組合総連合会調べ
外国人労働者受入れ拡大、20代は「よい影響」が40代以上は「よくない影響」が多数派
続いて、外国人労働者の受入れ拡大が行われた場合、日本人の雇用や労働条件に「影響がある」と思っている人(491名)に、どのような影響があるかを質問している。全体では「よくない影響(計)」が及ぶと考える人が47.9%と、「よい影響(計)」の41.8%より多かった。
世代別では、20代で「よい影響(計)」が55.8%と過半数を超えた。30代は双方が同じで45.1%。40代以上は多数派が入れ替わる。「よくない影響(計)」の方が多くなり、40代50.0%、50代53.1%、60代53.7%といずれも5割を超えている。
※日本労働組合総連合会調べ
5割以上が外国人労働者の「受け入れ制限が必要」
受入れを拡大する場合、受け入れる対象(技能レベルや職種、業種など)に制限が必要であると思うかとの問いに、「そう思う(計)』は55.7%、「そう思わない(計)」は26.8%。受け入れる対象の制限が必要だと思う人が多数を占めた。
受け入れる人数の制限が必要であると思うかについては、「そう思う(計)」が54.9%で、「そう思わない(計)」は28.0%。制限が必要であると考えている人が多いことが分かった。
※日本労働組合総連合会調べ
環境整備は「受け入れ体制」と「意識の醸成」を重要視
外国人労働者の受入れの環境整備にあたって、何が重要だと思うかを聞いており、最も多かった回答が「外国人労働者を受け入れる企業の体制整備」(46.2%)だ。2番目以降は「外国人労働者も同じ職場の仲間として受け入れる日本人の意識の醸成」(45.3%)、「外国人労働者に対する日本語教育」(39.8%)、「外国人労働者の権利を保護するための法律や制度の整備」(38.2%)、「外国人労働者に対する母国語による相談・支援体制」(27.3%)であった。これらのことから、企業が従業員を巻き込み、外国人労働者の受け入れ体制を整備することが重要視されているようだ。
※日本労働組合総連合会調べ
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