人材を採用する際、表向きは人物重視、学歴不問としていても、実際には大学名で応募者をふるいにかける学歴フィルターを導入している企業が少なくありません。有名企業・大企業ほど、その傾向が強いとも言われています。そこで、PRO-Q会員の皆様に、所属する企業の採用選考で、事実上の学歴フィルターがあるのかどうか、および学歴フィルターを必要だと思うかどうかについて、2018年11月13日～27日まで、アンケートで調査しました。

学歴フィルターは約３割の企業で導入、従業員数が多いほど導入割合が高い

まず、学歴フィルターの有無について見てみましょう。『あなたの会社の採用に「学歴フィルター」はありますか？』という質問に対して、「ある」は全体の29％でした。学歴フィルターを導入している企業は少数派であることがわかります。ただ、「わからない」も21％であることから、実態としての導入企業の割合はもう少し高い可能性があります。特に企業の従業員数によって大きな違いが見られ、300名未満では「ある」は19％であるのに対して、1000名以上では41％です。従業員数の多い企業ほど、学歴フィルターを導入する傾向にあることが読み取れます。

約4割が学歴フィルターは「必要」と回答。規模の大きな企業に勤める人ほど、必要性を感じる傾向

次に、学歴フィルターをどのくらい重要視しているのかについて見てみましょう。『「学歴フィルター」は必要だと思いますか？』との質問に対して、「思う」は全体の35％、思わないは65％でした。全体としての傾向はメーカー、非メーカーとでは大きくは変わりません。しかし、企業の従業員数別で見ると、明確な違いがあります。300名未満では「思う」は27％にとどまっていますが、300～1000名未満では32％、1000名以上では56％と、従業員数が増えるほど割合は高いです。従業員数の多い企業に所属している人ほど、学歴フィルターを必要だと考えていることがわかります。

本アンケートでは、上記設問で学歴フィルターを必要だと「思う」あるいは「思わない」と回答した理由について、自由に回答してもらいました。以下にその内容を抜粋してご紹介します。

【思うと回答した理由】

• 基本的な文書作成能力、読解力、プレゼンテーション能力、要点整理、基礎学力といった面で、企業側の教育投資の効率性が良いため。（従業員数：1000名以上、メーカー）
• 確率論として、レベル差の有意性はあると考えるから。（従業員数：1000名以上、マスコミ・コンサル）
• これまでの上位校だけでの選考意図ではなく、既存社員との繋がりや学生間の繋がりなど入社、継続等の意図で必要と感じるため。（従業員数：300～1000名未満、サービス）
• 学歴は頑張った分、最低限お金を使った分は評価してあげないとかわいそうであると思う。（従業員数：300名未満、サービス）

【思わないと回答した理由】

• 良い学歴でも実社会では通用しないことが多いし、学歴を誇示する人間にろくなやつはいない。（従業員数：1000名以上、メーカー）
• 多様性を考えた場合に、学歴フィルターは役に立たない。（従業員数：1000名以上、メーカー）
• 学生時代に習得したことも影響はするが、ビジネスマンとして仕事を進める上で、人となりのほうが非常に影響すると考えている。（従業員数：300名未満、サービス）
• 学校での知識は基礎的であり実務に直結しない。技術力は努力と経験により、学歴とは関係がない。（従業員数：300名未満、メーカー）

【調査概要】 アンケート名称：学歴フィルター」に関するアンケート
調査主体：PRO-Q編集部（ProFuture株式会社）
調査期間：2018年11月13日～11月27日
調査媒体：アンケートメディア 経営PRO-Q

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