~「人事評価制度を活用した人材確保と賃金向上」を慶大大学院・岩本研究室が発表 中小企業を救うのは人事評価制度の普及と推進

産業プロデュース論を専門とする慶應義塾大学大学院経営管理研究科の岩本隆特任教授が「人事評価制度を活用した人材確保と賃金向上」と題するレポートを発表した。


レポートでは、中小企業における人材不足の深刻化を各種データから分析。人材確保が進まない状態を放置すると以下のような現象が発生し、「産業の根幹を支える中小企業が消えかねない」と警鐘を鳴らす。

  • 今後、中小企業の大学新卒者採用は10年に1人=実質ゼロとなる
  • 後継者難により中小企業250万社(国内企業の2/3)が倒産・廃業


こうした状況を打開する手段として、レポートが着目したのは人事評価制度だ。人事評価制度の導入によって「離職率の低下」「社内の活性化」「生産性向上」「従業員のスキル把握と配置転換・事業承継への活用」といったメリットを得られるとし、実際に業績の改善や労働時間の短縮に直結することを示すデータも掲載。また人事評価制度の導入によって日本のGDPは政府が目標とする600兆円に近づくとも試算している。



※慶應義塾大学大学院経営管理研究科調べ


さらに人事評価制度の導入によって業績改善を実現した以下の事例も紹介する。


  • 株式会社千葉ジェッツふなばし(プロバスケットボールチームの運営)
    スポンサー契約の目標設定・評価を年単位から四半期単位へ変更。契約更新が前倒しで進められるようになり、新規スポンサー獲得のための営業時間確保に成功した。残業時間はほぼゼロにまで改善。チームの観客動員や経営上の利益も伸ばしている。
  • 株式会社ヒラノ(種豚・肉豚の生産および販売)
    子豚の肉質を左右する育成プロセス(温度管理や餌やり頻度など)について、社員各自が意識し、行動目標として掲げることで高値での販売に成功。またチームでの活動を促進するため組織改編に取り組み、豚の販売価格もチームで交渉することで単価の上昇を実現した。



※慶應義塾大学大学院経営管理研究科調べ


レポートでは、人事評価制度を導入する手順や助成金の存在も紹介。導入に際してのリスク(反発や離反が発生し一時的に業績が悪化するなど)、助成金の周知が進んでいない現状、人事評価制度のメリットが見えにくく企業内での優先順位が低い……といった問題にも触れつつ、人事評価制度を普及させるための3つの提言で締めくくっている。


  1. 人事評価制度の啓発活動を行う
    「健康経営」啓発の取り組みを参考に人事評価制度の意義を発信する
  2. 人事評価制度の就業規則への明文化
    明文化による法的推進力を用いて制度整備・実装を徹底していく
  3. 人事評価制度導入に関するインセンティブ
    人事評価制度の導入で一定の成果を上げた企業に優遇措置や助成金などを用意する


(出典:慶應義塾大学大学院経営管理研究科 岩本隆特任教授「人事評価制度を活用した人材確保と賃金向上」 2018年9月26日発表)


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