2022年の税制改正により、勤続5年以下の退職金が減ることを「知らない」と答えた人の割合は8割。

株式会社日本マーケティングリサーチ機構(以下、JMRO)は2022年1月28日、退職金に関わる税制改正の認知度などを尋ねたアンケート結果を発表した。調査期間は2022年1月1日~25日で、全国の10代~70代の男女1,030名から回答を得た。これにより、税制改正が退職金へ及ぼす影響の認知度や、勤続意欲への影響が明らかとなった。

税制改正による「5年以下の退職金への影響を知っている」人は約2割

2022年1月の税制改正より、勤続年数が5年以下である者(役員以外)の退職手当等(短期退職手当等)の計算方法が変更された。これにより、退職金として支給される金額が減額となる。

JMROが「退職金が減額となることを認識しているか」を尋ねると、「知っている」は19.59%、「知らなかった」は80.41%となった。8割が、税制改正により支給金額が減額となることを認識していないと判明した。



課税変更により今後の勤続意欲への影響は?

次に同社は、「この事実を受け、現在の仕事を5年以上続けようと思うか」を質問した。その結果、「続けようと思う」が60.14%、「続けようか悩んでいる」が15.49%、「続けたくない」が10.25%、「なるべく早く辞めたい」が12.3%となった。税制改正により、「現在の仕事を5年以上続けようと思う」という意向を示したのは過半数となった。



「長く働く意欲」への影響はあるのか

さらに、「長く働く意欲は上がったか」を問うと、「働く意欲がとても上がった」は17.31%、「働く意欲が少し上がった」は12.3%、最も多かったのは「あまり変わらない」の58.09%で、「働く意欲が少し下がった」が5.47%、「働く意欲がとても下がった」は5.69%となった。長く働く意欲が「上がった」とする人が3割近くいることがわかった。




2022年の税制改正により、「短期退職手当等」における課税所得の計算方法が変わったことを知っていたのは、2割に満たないようだ。退職金について、従業員から質問がある場合など、前もって周知に努めたい。


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