約4割の企業がBCP(事業継続計画)未策定。企業規模や業界によって対応に差
約4割の企業が自社のBCP方針を未策定
アデコの取引先企業の人事・採用担当者に、自社のBCP方針・計画の策定について聞くと、最も多かったのは「方針を策定している」で45%だった。その一方で、「方針を策定していない」は21.3%、「これから準備する」は19.4%と、約4割の企業で万全な準備ができていないことが明らかとなった。
企業規模別では、従業員1,000人以上の企業の約7割が「方針を策定している」のに対し、従業員1,000名未満の企業では約4割にとどまっている。
また、「サービス業」、「卸売業、小売業」、「建設業」、「情報通信業」、「製造業」の業界別に比較したところ、「製造業」では53.7%と半数以上が方針を定めているのに対し、「卸売業、小売業」や「サービス業」では4割未満となっている。これらの調査から、BCP対策は企業規模や業界によって、差があることが判明した。
BCP方針に沿って「事業所分散している」という企業は2割未満
続いて、「BCP方針に沿って、事業所分散の対応をとっているか」という質問をしたところ、「事業所分散している」との回答は19.4%と、2割弱にとどまった。また、「検討する予定である」は6.6%、「検討する必要性を感じている」は27.9%だった。事業分散の必要性は事業内容によって異なるものの、一定数の企業が「必要であると感じながらまだ対応をとれていない」という状況にあることが判明した。
業界別に見ると特に「卸売業・小売業」、「製造業」を中心に、「検討する必要性を感じている」という回答が多く見られた。また、「事業所分散している」との回答は、「サービス業」で21.2%だったものの、他の業界は全て2割未満となっていることもわかった。
今回の調査で、いまだにBCPを策定できていない企業が多数あることがわかった。BCPの策定によって、事業資産の損害を最小限にとどめ、事業の継続、早期の復旧に向けた対応を迅速に取ることができる。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、BCP対応の重要性が再認識されており、今後、企業規模を問わず、BCPの準備、策定をする動きが進んでいくだろう。
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