「人事領域のDX推進」に関するアンケートの結果レポート 着実に進む企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)。一方でその推進人材は7割が不足

経済産業省が「DXレポート」を発表してから1年が経ちました。その内容は、もしDXが進まなければ「2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と警告するものです。「DX」とは、デジタルトランスフォーメーションの略称で、「デジタル技術を浸透させることで、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらし、人々の生活をより良いものへと変革すること」を意味しています。企業の様々な領域においてDXが推進されており、そうした人材の確保は極めて重要です。そこで、DX推進及びIT人材の確保についての取り組み状況のアンケートを実施しました。調査期間は2020年2月10日~3月2日です。

着実に進むDX推進

設問1では、「貴社におけるDX推進について、当てはまるものをお選びください。」と質問しました。回答選択肢を「既に完了している」、「複数の領域で取り組み中である」、「一部の領域で取り組み中である」、「計画策定中である」、「将来的に着手予定である」、「取り組みの予定はない」の6つから、回答を募りました。



最多の回答となったのは、「取り組みの予定はない」の29%、次いで「将来的に着手予定である」が22%、「複数の領域で取り組み中である」20%となり、これらが回答数上位3つとなりました。「一部の領域で取り組み中である」13%、「既に完了している」9%、「計画策定中である」が8%と上位3つの回答に続く回答結果になりました。


DX推進の取り組み状況についてポジティブな回答(「既に完了している」、「複数の領域で取り組み中である」、「一部の領域で取り組み中である」、「計画策定中である」、「将来的に着手予定である」)を合算すると全体数の約7割にのぼっています。このなかで、取り組み中あるいは完了していると回答を合算すると約4割となり、企業のDX推進ついての取り組みは、着実に進んでいると読み取れます。

DX推進人材の充足状況は、人材不足に困窮しているという矛盾

次に企業のDX推進を担う人材の充足状況は、どうなっているでしょうか。



回答数で1番多かった回答は「非常に不足している」48%と全体数の約5割になりました。
2番目となった回答は「必要としていない」23%、「やや不足している」22%とつづき、「充足している」が7%となる結果でした。


設問1でDX推進への取り組みにポジティブな回答が全体の7割を占めていたなかで、「非常に不足している」「やや不足している」を合算すると全体の約7割を占めているという現状は大きなギャップといえるでしょう。

人材確保の方法は、きれいに分かれる結果に

人材不足に対して、各企業はどのように解決していこうとしているのでしょうか?



回答数1位が、「キャリア採用で募集する」37%と全体数の約4割となる結果でした。2位以降は「既存社員の人材育成を行う」31%、「業務委託で確保する」28%、「確保する必要はない」24%。以降は「新卒採用で募集する」10%、「契約社員で確保する」5%と続きます。


「キャリア採用で募集する」と「業務委託で確保する」を合算した約6割が外部から経験ある人材を確保するという手段をとっています。時間をかけて自社の人材を育成するよりも、業務経験が豊富な人材を確保してスピーディーにDXを推進しようとする意識が垣間見ることができます。


最後に「DX推進や、そのIT人材の確保について、あなたのご意見をお聞かせください。」とし、皆さまからコメントをいただきました。一部抜粋してご紹介します。



【現状の把握から】

  • DXについてどの程度自社に関わってくるか、全く危機感を持っていないように思う。この機会を生かそうとする発想は全くなく、そのような経営層に対して非常に歯がゆく思う。
  • 幅広いテクノロジーに関しての知見、未来を読み解いていくための高いアンテナと先見性、ペルソナを設定し何のために何をするのかをデザインできる思考能力、加えてエスのグラフィー的に自分事として事を捉え観察できる能力。DX人材とは非常にマルチな能力とマインドが求められると思います。そしてそれは従来の既定路線には当てはまらない人材であり採用する側にもその要素は欠けていると思います。正直、キャリア採用や育成には限界があり、企業のトップが変わらないと難しいと思います。
  • 人材を確保する前に、予算が必要であるため、現在、そこに注力中です。
  • 将来的には自前で育成したいが、現時点では知識不足の面も含めて人材が圧倒的に足りていないので、外部から知識を豊富に有した人材を採用することで最低限の対応はしていきたい。
  • 知識もなく既存社員の教育や丸投げを行うのではなく、経営陣自身が理解を深める事が大切と考えている。
  • 人員を増やすだけの余裕が有りません。
  • お気に入りの能力不足の人に仕事を任せ、能力有る人の諌言を退けるので費用と時間が掛かるのに目標の成果が出ないので業績が低迷。能力や成果を厳格に評価して仕事を任せて、まずは小さな目標の成果を出して、業績を向上させ、必要なIT人材の育成や採用して活用し、大きな目標に取組み、更に業績を向上可能にする必要がある。

  •        

    【調査概要】 アンケート名称:「人事領域のDX推進」に関するアンケート
    調査主体:PRO-Q編集部(ProFuture株式会社)
    調査期間:2020年2月10日~3月2日
    調査媒体:アンケートメディア 経営PRO-Q/人事・総務PRO-Q/ITエンジニアPRO-Q
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