外国人労働者の雇用の問題点・課題とは? 受け入れ増加の傾向にある外国人労働者の実態を調査。

株式会社レソリューションは、従業員50名以下の中小企業経営者1,048人を対象に「外国人労働者」に関する意識調査を実施し、その結果を発表した。調査期間は、2019年11月22日~23日。年々日本における人手不足解消のため、外国人労働者の受け入れ数は増加傾向にあるが、その実態はどのようなものなのだろうか? 今回の調査により、外国人雇用のメリットと課題が浮き彫りになった。

中小企業における外国人雇用の実態

人材不足が深刻化している中、雇用対策の一つとして外国人採用を行う企業が増加傾向にある。実際、どれほどの中小企業が外国人労働者の雇用経験があるのだろうか。


まず、「外国人労働者を雇用したことはあるか?」と質問したところ、「ある」と回答した企業は35.1%だった。外国人労働者の属性を見ると、「外国人技能実習生」が38%と最多となり、「学生のアルバイト」が34.7%、「在留外国人」が25.1%と続いた。


一方、「外国人雇用をしたことがない」と回答した64.9%の経営者にその理由を尋ねると、「言語など色々と不安に感じる」「対応できる人がいなかった」「手続きが面倒」といった声が挙げられた。漠然とした不安感が要因となり、外国人労働者の雇用を見送っていることが推測できる。



※株式会社レソリューション調べ


外国人雇用のメリットは「人材不足の解消」が最多

次に、「外国人労働者を雇用して良かった点」について質問したところ、「人材不足の解消」が57%と半数以上の割合を占め、次いで「社内のグローバル化」が25.1%、「コミュニケーション能力の向上」が13.2%、「助成金」が2.2%と続いた。具体的なエピソードを尋ねると、「仕事に対してまじめに取り組んでくれている」「社内が全体的に明るくなった」「外国人の考え方、感性を感じることができ勉強になった」「外国のお客様へ対応がスムーズになった」という声が挙がった。


外国人雇用のメリットは多く、人手不足解消のみならず、社内のグローバル化や異文化交流によるコミュニケーション能力の向上にもつながっているようだ。



※株式会社レソリューション調べ


課題は異文化ゆえのコミュニケーションの取りづらさ

次に、「外国人労働者を雇用して困った点」を尋ねると、「コミュニケーションの問題」が50.1%と最多だった。次いで「就労ビザの取得に時間がかかる」が18.7%、「労働に対する価値観や文化が異なる」が14.6%、「就労期間が限定的」が12.7%となった。


具体的なエピソードを聞くと、「長期は望めない」「手続きが煩雑で時間がかかる」「仕事の継続を望んだが、帰国することになった」「指示が正確に伝わらなかった」という声が聞かれた。


文化の違いはメリットになる点が多くある一方、コミュニケーションの取りづらさという課題にもつながるようだ。また、外国人雇用手続や入管法についても理解しなければならず、必要な手続きを複雑に感じる経営者も多いことが分かった。



※株式会社レソリューション調べ


外国人労働者雇用を行う際は、受け入れる企業側の体制が整っていることも重要だ。十分な体制構築ができていないままに雇用を進めると、ボタンの掛け違いからトラブルに発展する可能性もある。企業においては、文化や人種の多様性を理解した上で外国人雇用について検討する必要があるだろう。


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