中小企業の最大の課題は「従業員の採用・育成」、解決には「賃金・人事評価制度の見直し」が必要

あしたのチームは2019年3月、全国の従業員5〜300人未満の企業の経営者300人を対象に行った「現在の景況感と自社の課題に関する調査」の結果を発表した。この結果から中小企業の経営者達が、今後の日本経済や、自社が取り組むべき課題についてどのように考えているのかを探りたい。

なお、調査は2019年2月19日~2月21日に実施され、対象者は東京都・大阪府に本社を置く「都市部」の経営者150 人と、東京・大阪以外の道府県に本社を置く「地方」の経営者150人で構成されている。


「2020年、もしくは2025年までの国内景気は、現在と比較してどうなると思うか?」と質問したところ、2020年までは「好転する」(5.3%)、「やや好転する」(34.3%)が合計で39.6%となり、4割近くが景気好転を予想した。しかし、さらに5年後の2025年までとなると「好転する」(2%)、「やや好転する」(16.3%)と答えた人は18.3%しかいない。2020年までの好転予想は、東京オリンピック・パラリンピックによる建設・製造需要や観光消費の増加が背景にあると考えられる。だが、それも長くは続かず、反動がくることを懸念している人が多いと推測できる。



※株式会社あしたのチーム調べ


次に「自社の強みは何か?」と尋ねると、最も多い回答は都市部、地方ともに「お客様ニーズへの対応力」となった。なお、地方では「技術力」と「他社との提携関係」を強みと考えている企業が、都市部に比べて5ポイント以上多い。地方企業では、これまでに培った技術力や他社との提携関係を、自社の基盤だと考える経営者が多いようだ。



※株式会社あしたのチーム調べ


続く「自社の今後の課題は何か?」の設問では、都市部と地方で違う傾向が見られた。都市部では6割近くが「売上拡大」と回答しているのに対し、地方では「従業員の採用・育成」および「後継者の育成」と、“人”に関する項目が売上を上回っている。地方において少子高齢化や人口流出はより深刻であり、人材確保や後継者育成が切迫した課題となっていることがうかがえる。



※株式会社あしたのチーム調べ


上記で「従業員の採用・育成」が課題と答えた経営者に対し、「現在取り組んでいること」と「現在は取り組んでいないが、今後取り組みたいこと」を聞いた。

現在の取り組んでいることは「定年延長・再雇用」(52.0%)が最多、続いて「女性の積極的な採用・登用」(45.9%)となり、人材確保のための対策を実施していることがわかる。また、3位の「若手の登用・年功主義の見直し」では、若い世代のやりがいを創出し、採用・育成の足がかりにしたいと考えているのだろう。

今後取り組みたいこととしては、「賃金・人事評価制度の見直し」(36.5%)、「福利厚生制度の見直し」(31.1%)と続く。正当な賃金や人事評価制度、福利厚生制度の充実と、環境を整えることで従業員の定着率を上げ、雇用を安定させる狙いだと言えよう。



※株式会社あしたのチーム調べ

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