中小企業庁によると、2025年には経営者の6割が70歳以上になるといわれています。高齢化・後継者不足を乗り越え、会社の経営を後継者に引き継ぐ「事業承継」は、創業100年企業数が世界一を誇る日本の永続的経営の未来を決めるといえるでしょう。そこで、PRO-Qユーザーの皆様が事業承継についてどのように考えているのか、2019年1月8日～2月5日まで、アンケート調査を行いました。

事業承継の取り組みを進めているのは約3割、ただし企業規模による違いも

最初に、『貴社では事業承継に向けた取り組みを進めていますか？』と尋ねたところ、トップは「具体的に取り組んでいる」（19％）、「近々に取り組む予定である」（16％）で、事業承継の取り組みを「進めている」といえるのは合計で35％となりました。ただし、この質問は、企業規模によって回答に違いが見られます。「具体的に取り組んでいる」と「近々に取り組む予定である」の合計は、従業員数が1000名以上の企業では約3割（31％）、300名未満の企業では約4割（42％）であるのに対し、300～1000名未満の企業は0％でした。

事業承継について関心があるのは後継者の育成と選定

事業承継について関心があるのは、具体的にどのようなことなのでしょうか？『事業承継について関心がある事項を教えてください』と質問し、当てはまるものを複数選んでもらったところ、トップは「後継者の育成」（61％）、次点は「後継者の選定」（44％）となり、「自社株式の評価」「相続税/贈与税対策」「事業譲渡の可能性」などそのほかの選択肢を大きく上回る結果となりました。この設問に関しては、企業規模による回答の大きな違いは見られませんでした。事業承継を行うにあたっては、自社の評価や税金、行く末などと比較して、「後継者」に大きな関心が向けられていることが読み取れます。

事業承継に前向きなのは5割、ただしここでも企業規模による違いが

事業承継について前向きであるかについて聞きました。『貴社の事業承継のご意向についてはどのように考えられていますか？』との質問に対する回答は、「ぜひ事業承継したい」「できれば事業承継をしたい」を合計すると50％となり、半数が事業承継には前向きとの結果となりました。ただし、ここでも企業規模による傾向の違いがあります。300名未満の企業は、事業承継に前向きなのは約6割（59％）で、従業員数が1000名以上の企業（31％）、300～1000名の企業（43％）と比較して多数の結果となっています。

最後に、『設問3で選択されたご意向の理由を教えてください』と質問し、自由に回答してもらいました。以下にその内容を抜粋して紹介します。

【親族または役員・従業員への承継を希望】

• 当社は上場企業であるが、創業時より3代に渡り親族が経営を担っており、世間よりも同族系とみなされている。4代目も当然親族からという流れかと、だれもが考えており、その準備を進めている。（従業員数：1000名以上、メーカー）
• 適任者がいるかどうか難しいが、外部からの招聘ではなく内部昇格を目指したい（従業員数：300～1000名未満、メーカー）
• 後継者はいるのですが、まだ継いでくれるか真意を確認してはいない点が心配です。（従業員数：300名未満、サービス）

【親族内承継は未知数】

• 親族内では、経営能力が未知数であり、リスクが大きい。（従業員数：300名未満、メーカー）
• 親族内承継では、実力が未知数であるため。（従業員数：300名未満、メーカー）

【調査概要】 アンケート名称：「事業承継」に関するアンケート調査
調査主体：PRO-Q編集部（ProFuture株式会社）
調査期間：2019年1月8日～2月5日
調査媒体：アンケートメディア 経営PRO-Q

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