7割が「メンタルヘルス」に影響あり。コロナ禍により「女性の雇用」はどう変化したのか
25%がコロナ禍により雇用形態が変化、特に「勤続3年以内」の人が多い傾向に
新型コロナウイルスが感染拡大し始めてから約1年半が経過し、雇用環境やライフスタイルが変わってきている。現在、働く女性に対してどのような影響があるのだろうか。
はじめに「コロナ禍の影響による雇用形態の変化」について尋ねた。すると、「なし」が75%だったのに対し、「ある」が25%という結果に。4人に1人の割合で、雇用形態に変化があったことがわかった。
先述の設問で「ある」と回答した人の内訳を「雇用形態」、「雇用形態が変わる前の勤続年数」、「勤務先の業界」別にまとめている。「勤続年数」は「3年以内(『1年以内』と『3年以内』の合計)」と答えた人が67.1%と、7割近くに迫った。また、「勤務先の業界」で上位だったのは、「サービス業」(13.8%)、「教育業界」(9.2%)、「通信インターネット業界」(9.2%)となっていた。
半数以上が「雇用が変化したこと」をポジティブに受け止めている
次に、コロナ禍の影響による雇用変化が「ある」と回答した人に、「雇用変化をどのように受け止めているか」を尋ねた。すると、「現状をポジティブに受け止めている」人は53.8%となり、「ネガティブ」の46.2%を上回った。
「雇用変化をポジティブに受け止めている」とした人の理由は、「リモートワークの増加により自由に使える時間が増えた」(54.2%)、「ワークライフバランスが取りやすくなった」(40%)などが上位に。また、「雇用変化の具体的な内容」については、「リモートワークが増え出社頻度が下がった」(42.9%)のほか、「キャリアを見直し自発的に転職した」(22.9%)などが多く、リモートワークに移行したことや転職の機会となったことを、ポジティブに捉えていることがわかった。
コロナ禍の不況による解雇等で、メンタルヘルスへの影響も
一方で、「雇用変化をネガティブに捉えている」とした回答者に「具体的な影響」について尋ねた。すると、「解雇・雇い止め」が30%、「自発的に退職せざるを得なかった」が16.7%となっており、合わせると離職に至ったケースは46.7%で、半数に迫っていた。以降、「収入が減った」(30%)、「ボーナスカット」(26.7%)、「休業7日以上」(20%)などが続き、コロナ禍以前の収入や雇用形態が維持できないことが、ネガティブな理由につながっているとわかった。
また、「雇用変化によるメンタルヘルスへの影響はあったか」と尋ねると、「ある」が70%という結果に。「具体的な影響」には、「精神的に追い詰められた」(71.4%)、「うつ病等の精神疾患と診断された」(23.8%)などが挙げられ、メンタルヘルスに悪影響を与える深刻なケースもあった。
今回の調査で、働く女性への影響は「ポジティブ/ネガティブ」のどちらの側面もあったことが判明した。先行き不透明な状況が「メンタルヘルスに悪影響」を及ぼすケースは深刻だろう。安心して働ける環境の整備が、今後より重要になりそうだ。
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