利便性を向上しコロナ禍で困窮する事業者を救う目的として、経産省がオンライン補助金申請ツール「Jグランツ2.0」を運用開始
オンラインで補助金申請が可能な「Jグランツ」とは
従来運用されていた補助金申請の多くは、紙ベースでの手続きが主流であった。大量の紙による申請・郵送など煩雑な作業がともなうため、補助金を利用したい事業者が気軽に申請できる環境とは言い難い現状があったという。
経済産業省はこのような中、世界的に補助金申請を含めた「行政のデジタル化」が進展している状況や、コロナ禍における「新しい生活様式」への対応が急がれることを踏まえ、公募から事業完了後の手続きまでをオンラインで完結できる補助金申請システム「Jグランツ」の機能を改善し、「Jグランツ2.0」としての運用を開始した。今回のアップデートでは、前述の通り申請者の使い勝手などを見直したほか、さまざまな補助金制度で本システムが活用できるようになったため、事業者の利便性向上が期待できるという。Jグランツの利用メリットは以下の通り。
・国および自治体の補助事業が掲載され、ワンストップで補助金の情報収集が可能
・24時間365日、いつでもどこにいても申請できる
・移動時間や交通費、郵送費などのコストを削減
・「GビズID」(後述)利用により、申請事業者の基本情報が自動入力され負担を軽減
・「GビズID」で書類の押印が不要となりペーパーレス化に
・「Jグランツ」上でリアルタイムに申請状況や処理状況が把握できるため、手続の迅速化を実現
同省では、2021年度当初予算において、100を超える補助金で「Jグランツ」を活用すべく、導入準備を進めている。また、内閣官房や総務省の協力も得ながら、同省の補助金にとどまらず、各省や自治体が主導する補助金での活用も随時進めていくという。
各補助金は、公募の準備が整い次第、「Jグランツ」上の「補助金一覧」に掲載される予定だ。なお、2020年度予算で掲載済みの補助金関連手続きについては、引き続き「Jグランツ1.0」が適用され、3月中に「Jグランツ2.0」に移行の上、閉鎖するとしている。
利用には「法人共通認証基盤(GビズID)」取得が必要
また、今回の発表にあわせ、同省では「法人共通認証基盤(GビズID)」の早期取得も促している。「GビズID」とは、事業者が1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システムで、「Jグランツ」の利用にも必要だ。共通のアカウントを利用することにより、社名や住所といった法人(中小事業者等も含む)の「基本情報」が自動入力される仕組みで、補助金申請だけでなく「企業の社会保険手続き」や「各種中小企業向けの支援手続き」などでも活用が可能だという。今後も、利用できる手続きをさらに拡大する予定だ。なお、同IDの取得には、1~2週間程度の審査期間が必要となる。
新型コロナウイルス感染症拡大を受け、国や地方自治体単位で事業者を支援すべく、さまざまな補助金の運用が開始されている。未だ出口が見えないコロナ禍での事業継続に向け、自社にマッチする補助金を探し、オンラインでの手続きを活用してみてはいかがだろうか。
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