オンライン化への対応など企業課題は山積。新型コロナの流行により約8割の企業が「新卒採用に影響あり」

人材育成サービスを提供する株式会社ラーニングエージェンシーは2020年8月、「新型コロナウイルスが人事・採用に与えた影響」に関する調査結果を発表した。調査期間は2020年8月3~7日で、企業の人事・教育担当者395人を対象に実施した。これにより、コロナ禍での新卒採用の変化などが明らかとなった。

最も大きな影響が及んだのは「採用業務」と7割弱の人事担当者が回答

新型コロナウイルス感染症拡大にともない、多くの企業が働き方や事業運営の変化を迫られるなか、企業の人事業務にはどのような影響が及んだのだろうか。はじめに、新型コロナの影響で「やり方の変更」あるいは「新たな対応が必要」になった業務を挙げてもらったところ、「採用」が69.1%でトップに。およそ7割の企業で、採用活動に何らかの影響が出ていることが明らかになった。




特に「新卒採用」への影響の有無については、「影響あり」と回答した企業は79.7%(かなり影響がある:32.5%/やや影響がある:47.2%)となり、全体の約8割を占めた。




続いて、新卒採用に対する具体的な影響を聞くと、「採用スケジュールの変更」が68.2%と最も多い結果に。以下、「合同説明会・外部イベントの中止」(56.9%)、「選考方法の変更」(40%)と続いた。

一方で、「説明会参加者の減少」は18%、「エントリー数の減少」は14.9%といずれも10%台で、採用母集団形成には影響が少ないことが見て取れる。また、「新卒採用の中止」を余儀なくされた企業はわずか6.7%と、回答全体の中では最も少ない結果だった(その他を除く)。



過半数の企業が採用予定人数の8割を達成したものの、0%の企業も

次に、調査時点(8月上旬)での採用予定人数に対する目標達成度を尋ねたところ、「100%か100%以上」が31.3%、「80~90%」が20.3%となった。合計51.6%の企業は、採用目標人数の8割以上を達成しているようだ。それに対して、達成度は「0%」という企業も10.7%と、一定数存在した。



コロナ禍対策に関わるものが課題の上位に並ぶ

さらに、新卒採用活動における現状の課題について聞いた。すると最も多い回答は「応募者との接点を持つ場の確保」で51.6%という結果に。2位は「説明会の実施方法(Web/対面など)」が45.6%となり、ソーシャルディスタンスに配慮した対応に課題を感じていた。3位には「内定後のフォロー」が41.3%で続く。

また、「Web説明会のノウハウ」(33.1%)や、「Web面接のノウハウ」(31.9%)など、採用活動のオンライン化にともなうノウハウの必要性を感じている企業も3割以上となった。



8月時点で「内定式」の実施を決めかねていた企業は約6割

最後に、今年の内定式の実施予定について尋ねると、「実施する」とした企業は35.3%にとどまった。最も多かったのは「検討中」の43.1%で、「わからない」と回答した15.7%の企業と合わせると、調査時点で全体の約6割が実施有無について悩んでいることが明らかとなった。また、すでにこの時点で「中止」を決定した企業も5.9%と、わずかながら見られた。




未曾有の事態により、今後の未来を担う新卒採用に、多くの企業でさまざまな影響が出ているようだ。この先も、状況に合わせた方針や施策の変更など、柔軟な対応が求められることになりそうだ。


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