経営層の9割超が感染症に対応したBCPの必要性を認識。緊急時に求められる対策とは

株式会社エイトレッドは2020年5月、同社が運営する「ワークフロー総研」を通じて、感染症とBCP(事業継続計画)について調査し、その結果を発表した。対象はBCPを策定している企業の経営者・役員385名、調査期間は2020年4月27日~5月7日で、新型コロナウイルス感染症拡大により全国が緊急事態宣言下に置かれていた期間とほぼ重なる。本調査結果から、感染症などの緊急事態に対応するために、どういった点を整備したらよいかを探る。

経営者はBCP策定の重要性をどう認識しているのか

まず、「新型コロナウイルスのような感染症に対応して、BCP策定が必要だと思うか」を尋ねると、「とても必要」が53.2%、「必要」が42.6%と、実に経営者・役員の約95.8%が必要だと回答した。



経営の迅速な意志決定にはワークフローのシステム化が必要

次に、上記で「BCP策定が必要」と回答した369名に対し、「BCP策定にあたって経営の迅速な意思決定を実現するため、ワークフローのシステム化は必要だと思うか」と聞いた。「とても必要」が39.8%、「必要」が48.2%となり、合わせると9割近い経営者・役員がワークフローのシステム化が必要であると回答した。



6割が「業務プロセス全体の見直し」が必要だと考えている

次に、「ワークフローの見直しの必要性がある」と回答した248名に、「具体的にどの事項の見直しが必要か」を尋ねた。最も多かったのは「業務プロセス全体」で、回答者の65.2%がフローの全体設計が重要であると答えている。次点以降は「各種資料のペーパーレス・デジタル化」(58.5%)、「外出先(オフィス外)からの申請・承認」(49.8%)と続く。



「意思決定の効率化・迅速化」や「テレワークへの対応」がBCP策定の鍵


最後に、「感染症に対応するBCPを策定する際、これまでのBCPに加えて、さらに必要だと思う項目は何か」を自由記述で答えてもらった。


<フリーコメントから一部抜粋>
・災害のように、他の拠点での代替が出来ないことを想定して、完全在宅勤務での事業継続を想定する必要がある
・意志決定の迅速化。休業補償のマニュアル化
・原則テレワークによる事業継続のルールや、それを想定したインフラやシステムの整備
・誰かが感染しても誰かがバックアップ出来る体制の構築。特に製造現場は急務と考えている
・非正規雇用、委託契約の外部スタッフに対する支援の設定


寄せられた回答をまとめると、「緊急時の意思決定プロセス」、「テレワークの環境整備とテレワーク時の業務フローの確立」、「有事における社員(権限者を含む)や外部スタッフへの対策」などにコメントが集まった。


今回、企業は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で様々な対応に追われたことで、緊急時の迅速な意思決定やテレワークなどについて、課題を認識することも多かったと推測できる。企業の競争力を高めるためにも、再び起こりうるリスクに備え、感染症に対するBCPを整備することが急務といえるだろう。

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