配送会社に朗報! 再配達率を約43%削減。アプリ連動型“置き配”バッグ実証実験結果

物流系ITベンチャーYper(イーパー)株式会社は、2018年7〜8月にかけて1ヶ月間、東京23区の100世帯を対象に「アプリ連動型置き配バッグOKIPPA(オキッパ)」の実証実験を実施した。

「置き配」とは、客が配達時に不在だった場合、あらかじめ客の指定した玄関先や宅配ボックスなどに荷物を置くことで配達を完了するサービス。近年、再配達にかかるコストの削減のため、正規のサービスとして導入する宅配事業者やインターネット通販会社が増えている。

同実験では、最終的に参加者の再配達率を約43%削減することに成功し、OKIPPAの有効性を確認できた結果となった。

実験の対象となったのはTwitterで公募した男性44名、女性56名の100世帯。(20代=19名、30代=38名、40代=31名、50代=8名、60代=4名)なお住居形態としては、6割以上が集合住宅である。(集合住宅=63名、戸建=37名)

実証実験期間中、アンケートは1週間ごとに実施され、「再配達率の推移」は以下のような結果となった。

・1週目…20.8%
・2週目…22.3%
・3週目…22.3%
・4週目…21.9%
・5週目…15.9%
(※直近1年間の再配達率は59.2%)

OKIPPAを利用することで、再配達率は1週目から20%近くまで下がり、最終的には15.9%と、開始前の約43%減となり、国交省発表の再配達率16.4%よりも低い水準まで引き下げることができた。

実証実験終了後、参加者に「OKIPPAを利用することで、利用前と比べて週当たり『荷物の待ちに費やす時間』はどれぐらい減ったと思いますか?」と尋ねると、結果は以下の通り。


・1時間以内…21%
・1〜3時間…35%
・半日…24%
・1日…3%
・1日以上…16%
・変わらない…1%

参加者の99%がOKIPPAを利用したことにより「荷物の待ち時間が減った」ことを実感している。1時間未満と回答した参加者の多くは、普段コンビニ受け取りを利用している層で、「コンビニへ行くための準備時間やコンビニまでの移動時間」に費やしていた時間がなくなったと回答。

加えて、9割のユーザーが、荷物待ちストレス、再配達を依頼する手間が省けたと回答しており、食事やお風呂の時間を邪魔されなくなったことをメリットとして挙げている。「配送員に申し訳なく思う」という精神的負担の軽減をあげるユーザーも多く見られた。

今後は、運用面の課題である「配送員のOKIPPAの認知」を広めるため、引き続き配送各社及び国に働きかけをして行く必要がある。同社はそうした課題が解決することで、短期間でOKIPPA利用者の再配達率をほぼゼロまで削減できると見込んでいるという。

また現在、オートロックマンション向けのOKIPPAも開発中で、こちらも実証実験を行う予定とのこと。

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