約5割の企業が“働き方改革法案”は「経営に支障あり」。働き方改革法案に関するアンケート調査より
2018年6月、いわゆる“働き方改革関連法案”が国会で成立し、2019年4月に施行されることとなった。この法案について、企業の経営者・人事担当者はどう感じているのか? エン・ジャパン株式会社(東京都新宿区)が運営し、人事担当者向けに人材採用・労務・入社後活躍に関する情報を発信するサイト『人事のミカタ』(https://partners.en-japan.com)がアンケートを実施した。
“働き方改革関連法案”は、多様な働き方を選択できる社会の実現を目的とし、時間外労働の上限規制、高度プロフェッショナル制度の創設、同一労働同一賃金の義務化、年次有給取得の義務化……といった内容が盛り込まれている。これらについて「概要を知っている」が74%、「内容も含めて知っている」が21%で、法案の認知度は計95%となった。
各法律の施行が経営に及ぼす影響については、「まったく支障はない」が6%、「ほとんど支障はない」が36%、計42%だったのに対し、「大きな支障が出る」が9%、「やや支障が出る」が38%で計47%と、支障が出ると考えている企業がやや多く、企業規模が大きくなるにつれて「支障が出る」と回答する割合は増加するという結果に。
経営に支障が出そうな法案(複数回答)としては、「時間外労働(残業)の上限規制」(66%)、「年次有給取得の義務化」(54%)、「同一労働同一賃金の義務化」(43%)が上位にランクされた。
回答者からのコメントも紹介されており、「就業規則の見直しの良い機会になる」「働き方が多様化することで多くの問題が解決される」など法案に対する肯定的な意見よりも、目立つのは困惑だ。「時間外労働の上限規制」と「年次有給取得の義務化」については「サービス残業の増加で補う状態になってしまう」「生産性が下がる分、人を増やしたら人件費が上がる」など、結果として働き手を苦しめ、経営も圧迫するという声が多数寄せられており、「同一労働同一賃金の義務化」については「優秀な社員の不平不満が出る」という意見を掲載している。
“働き方改革関連法案”によって労働環境や日本が「とても良くなる」と考えている人が1%、「良くなる」が28%、計29%が状況改善を期待し、「とても悪くなる(1%)」と「悪くなる(18%)」の計19%を上回るものの、「変わらないと思う」が52%。総じて「人材が多数おり、対応可能な大企業むけであり中小企業や零細企業の経営のわからない人たちが作成したもの」という不満が大きく、法案による働き方の改善は限定的、とする見方が大多数を占めている印象だ。
(出典:『人事のミカタ』「働き方改革法案について」アンケート/サイトを利用している企業の経営者・人事担当者へのインターネット・アンケート/調査期間は2018年7月25日~8月28日/有効回答数648名)
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