中小企業の2018冬賞与は4年連続で「増額」が「減額」を上回るも、約4割は「景気回復を感じない」
エン・ジャパンは2018年10〜11月、自社が運営するサイト『人事のミカタ』を利用しており、従業員数299名以下の企業の人事担当者を対象に「2018年 冬季賞与」に関するアンケート調査を実施し、同年12月12日に結果を公表した。(有効回答数:451社)
昨年(2017年)と比較して支給額が「増額予定」なのは31%、「変わらない予定」が59%、「減額予定」が10%であった。過去4年の結果は下記のグラフのとおり。
『昨年(2017年)の冬季賞与支給額と比較して、今年の支給予定額に変動はありますか?』
※エン・ジャパン株式会社調べ
2015年の調査時からの傾向を見ると、4年連続で増額予定の企業が減額予定の企業を上回っていた。
業種別に見ると、「増額予定」と回答した割合が高い業種トップ3は、「商社」(40%)、「流通・小売関連」(36%)、「メーカー」(34%)。
一方で、「減額予定」という回答が目立ったのは、「広告・出版・マスコミ関連(31%)」、「商社(15%)」であった。すべての結果は下記のグラフを参照いただきたい。
『昨年(2017年)の冬季賞与支給額と比較して、今年の支給予定額に変動はありますか?(業種別)』
※エン・ジャパン株式会社調べ
増額する企業が、減額する企業よりも多かったことが分かった。気になるのはその理由だ。下記が複数回答で聞いた結果を集計したグラフで、顕著に回答が多かったのは「業績が好調」(73%)、「社員の意欲向上」(60%)であった。
『冬季賞与を「増額予定」と回答した企業に伺います。冬季賞与を増額する理由をお教えください。(複数回答可)』
※エン・ジャパン株式会社調べ
人事担当にとって、賞与の支給に関する悩みは尽きないようだ。調査でも『社員への賞与支給に関して、悩みや課題をお教えください。』との問いで、複数回答してもらっている。先に下記グラフで結果を紹介する。
『社員への賞与支給に関して、悩みや課題をお教えください。(複数回答可)』
※エン・ジャパン株式会社調べ
1位となった「社員への評価・賞与の査定基準への悩み」には、自由記述欄において、「営業以外のスタッフに対する評価基準が明確になっていない(サービス関連/11~30名)」、「平均年齢も少しずつ上がってきて、賞与を生活給と考えている人も多くなってきた。そのため、機械的な評価がしにくい(メーカー/101~299名)」といった声が寄せられた。
同じく2位となった「賞与の支給額による社員モチベーションへの影響」には、「支給額が多少増えてもモチベーションに何も影響がないが、支給額が減るとやる気を大きく損なうものだから(流通・小売関連/31~50名)」、「評価は人間がするものなので、どうしても主観が入ってしまう。査定結果に納得できず、一喜一憂してしまう社員が多い(IT・情報処理・インターネット関連/51~99名)」といった意見がみられた。
業績が好調で賞与額が増えている、という傾向はみられたが、それが景況感につながっているかというと、そうではないようだ。『昨年(2017年)と比較し、景気の上昇や回復を実感できていますか?』と質問しており、全体で『感じる』と回答した企業は28%、『感じない』と回答した企業が38%となり、景気回復を感じない企業のほう多かった。
『昨年(2017年)と比較し、景気の上昇や回復を実感できていますか?』
※エン・ジャパン株式会社調べ
結果のグラフには業種別の数値も紹介されている。それによると、景気の上昇や回復を『感じる』と回答したのは、「サービス関連」の39%が最多。一方、『感じない』と回答したのは、「金融・コンサル関連」の60%が最多であった。
Amazonギフト券(1,000円分)を30名様に贈呈!
また、入会者全員にビジネスに役立つ話題の書籍等と交換できるPRO-Qポイント「100ポイント」もプレゼント中!
プロフィールPROFILE
PRO-Q 編集部
PRO-Qは「人事/営業・マーケティング/経営者/財務・経理/ITエンジニア」の職種に特化したアンケートメディアです。 職種ごとのサイト展開で、専門テーマのアンケートを毎日実施中。編集部が厳選したトレンドニュースやアンケート調査レポート、PRO-Q著名人インタビューなどを掲載中。 ビジネスに役立つ知識の情報源として、「PRO-Q」をご活用下さい。
この記事にコメントする