中小企業は大企業よりも消費増税に悲観的。増税分すべてを販売価格に転化予定の企業は約半数
東京商工リサーチは2018年9月、全国の企業を対象に、消費税増税の影響やそれに向けた準備など「消費税増税に関するアンケート調査」を実施、結果を公表した。有効回答は8,298件。また、本調査では、資本金1億円以上を「大企業」、1億円未満(個人企業等を含む)を「中小企業」と定義している。
増税の時期(2019年10月)について、「予定通り実施すべき」と答えた肯定派が47.0%。「時期を延期して実施すべき」と「増税を中止すべき」を合わせた否定派は49.5%で、僅差で上回った。
「予定通り実施すべき」と回答した企業を規模別で見ると、「大企業」では52.5%、「中小企業」では45.9%で、大企業が6.6ポイント上回った。
企業は消費税増税で景気がどうなると考えているのだろうか。「景気は悪くなる」と回答した企業は57.8%にものぼった。次いで多かったのは、「景気は現状維持」で37.2%。「景気は良くなる」としたのは、わずかに1.7%であった。
なお、「景気は悪くなる」と答えた企業を規模別で見ると、大企業が52.4%、中小企業では58.9%であった。いずれも半数を超えたが、中小企業の方が悲観的な声が多かった。
『消費税増税の準備をしていますか?』との問いに、「準備している」が28.1%、「準備していない」は59.8%であった。「準備している」企業はわずか3割弱にとどまっており、規模別では大企業が42.9%、中小企業は63.3%となり、20.4ポイントもの大差がついた。
上記質問で「準備している」と回答した企業に「消費増税に向けた具体的な準備」を聞いている。ここでは上位3位まで紹介する。
1位:会計・経理システム変更の見直し……75.3%
2位:既存の商品・サービスの内容見直し……22.9%
3位:新たな取引先の開拓……12.3%
「会計・経理システム変更の見直し」75.3%で最多。規模別で見ると、「会計・経理システム変更の見直し」に関しては、大企業で82.2%、中小企業で72.8%と、10ポイントの差がついた。
これを業種別で見ると、小売業では「既存の商品・サービスの内容見直し」が36.9%と、他の業種と比べ多くなった。
今回の消費増税がこれまでと違うのは、軽減税率を導入することだ。この影響を企業はどう見ているのだろうか。『軽減税率はどう影響すると思いますか?』と質問している。結果は下図の通り。
「影響はない」が半数を超えた。企業規模で見ても、あまり差異は見られなかったが、業種別に見ると、小売業では「マイナスの影響がある」が26.3%と、他の業種より高かった。
『消費税増税に合わせて、商品・サービスへの価格転嫁を行う予定ですか?』との質問には、54.3%が「増税分すべてを販売価格に転嫁する予定」と答えている。規模別で見ると、大企業は「転嫁予定」が49.3%だったのに対し、中小企業では55.3%と、中小企業が6ポイント上回った。また、「転嫁しない予定」は全体で13.9%とであった。
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