延べ5万人回答のアンケート結果から探る。コロナ禍で求められる「従業員の自律意識」の実態とは
「周囲に上司や同僚がいない環境でも自律的に働けるか」は業種や年代によって差が
新型コロナウイルス感染症拡大への対応から、テレワークを導入するなど働き方を変えた企業も多い。このような状況のなか、働く人々は自身のモチベーションや自己管理力をどのように捉えているだろうか。
はじめに、「上司や同僚がいたほうが手を抜かずに作業ができるか」を聞くと、「はい」全体の35%が回答した。その割合が最も少なかった職種は、エンジニアで21%だった。それに対し、最も多かった経理の回答は49%と、半数に迫っている。また、年代別では20代が52%、30代が40%と、若年層ほど上司や同僚が近くにいた方が「手を抜かずに仕事ができる」と感じている事がわかった。
「報酬」より「挑戦できる環境」を重要視するのは、若年層や経理職に多い傾向
続く「挑戦する醍醐味と金銭の報酬、やる気が湧くのはどちらか」という質問では、39%が「挑戦する醍醐味」、61%が「金銭による報酬」という結果に。「挑戦する醍醐味」と回答した人を職種別に見ると、最も少ない営業が30%だったのに対し、最も多い経理では54%と、24ポイントの差があった。また年代別に見ると、20代が55%と過半数に及び、以降年代が上がるごとにその値が下がっていくことから、若年層ほど「挑戦する醍醐味」を求めているようだ。
「コロナ禍で会社に頑張りが伝わらない」と感じている人はどの職種に多い?
次に、「コロナ以降、頑張りが会社に伝わりづらくなったか」を尋ねたところ、全体の33%が「はい」と回答した。この結果を職種別に見ると「マーケティング」が最も多く、55%と半数以上が回答しトップ。以下、エンジニアが38%、経理が37%と続いた。
20代の若手が特に「定型業務」を嫌う傾向にあり
さらに「定型業務の繰り返しで、新しい挑戦がない環境に満足できるか」と言う質問では、「はい」が26%に対し、「いいえ」が74%という結果に。7割以上の人は、定型業務ばかりの仕事に「面白み」や「やりがい」を見いだしにくいと感じていることが判明した。年代別に見ると、そう感じている割合は特に20代で高く、「定型業務でも満足」だと感じる人はわずか13%だった。一方で、「満足できる」と回答した人が最多だったのは、40代で22%だった。
コロナ禍を契機に、テレワークの導入が進み働き方の選択肢が増えた。それに伴い、ビジネスパーソンは、出社を中心としていた以前の働き方に比べ、より自律的に仕事やキャリア形成に取り組む姿勢が求められるようになっている。新しい生活様式の働き方を社員に定着させるためにも、企業は従業員の働きがいやモチベーションに配慮した環境整備について、もう一段掘り下げて考える必要がありそうだ。
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