社長報酬総額は東証一部上場企業の中央値で5,552 万円(+2.2%)。『役員報酬サーベイ(2018年度版)』結果発表
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社は2018年7〜9月、日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度の導入およびコーポレートガバナンスへの対応状況の実態調査『役員報酬サーベイ(2018年度版)』を実施。それらの結果をまとめ、公表した。
- 上場企業643社(うち東証一部431社)
- 非上場企業16社
- 製造業302社(うち電気機器・精密機器70社、医薬品・化学54社、機械46社等)
- 非製造業357社(うち情報・通信73社、サービス68社、卸売61社等)
<<報酬水準>>
東証一部上場企業431社における報酬総額の水準は中央値で、社長が5,552万円(前年比+2.2%)、取締役が2,160万円(前年比+4.3%)、社外取締役が756万円(前年比+5.0%)となった。
また、売上高1兆円以上の企業41社における社長報酬の中央値は9,855万円となり、東証一部上場企業の中央値と比較すると1.77倍。前年の9,387万円から468万円(前年比+5.0%)増加となった。
- 会長……59,760
- 社長……55,519
- 副社長……48,288
- 専務……38,430
- 常務……31,200
- 取締役……21,600
- 執行役員……20,097
- 社外取締役(グループ外)……7,560
- 常勤監査役……18,178
- 非常勤監査役(グループ外)……6,000 (※単位:千円)
<<株式関連報酬>>
株式関連報酬について、回答企業のうち45%の企業(296社)が、株式関連報酬を既に導入していると回答し、前年比で4ポイント増加した。
「現時点での導入済みの制度」としては、「ストックオプション」が104社で最多。
一方で、「今後導入を検討したい制度」としては、「譲渡制限付株式」が165社で最多。次いで「株式交付信託」が105社、「パフォーマンス・シェア」が58社で続き、ストックオプション以外の株式関連報酬の導入検討が進んでいることがうかがえる。
- ストックオプション制度 ……<導入中104社><導入検討中36社>
- 株式報酬型ストックオプション ……<導入中81社><導入検討中60社>
- 譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック) ……<導入中42社><導入検討中165社>
- 株式交付信託(信託の設定による株式付与) ……<導入中83社><導入検討中105社>
- パフォーマンス・シェア ……<導入中10社><導入検討中58社>
<<コーポレートガバナンス>>
指名委員会等設置会社を除く647社のうち、任意の“報酬”委員会を設置している企業の割合は40%(260社)、任意の“指名”委員会を設置している企業の割合の34%(219社)となっており、これらは今後も増加することが見込まれる。
なお、任意の報酬委員会・指名委員会の年間開催回数は、ともに年1~2回の企業が半数以上を占めており、形式的な議論にとどまっている可能性がある。
『任意の“報酬”委員会の年間開催回数』(n=260社)
<1回30%>
<2回25%>
<3回16%>
<4回10%>
<5回5%>
<6回6%>
<7回以上8%>
『任意の“指名”委員会の年間開催回数』(n=219社)
<1回30%>
<2回22%>
<3回15%>
<4回13%>
<5回5%>
<6回7%>
<7回以上8%>
役員指名基準は、整備している企業が27%(176社)であったが、今後整備検討中の企業を含めると56%(前年比+9ポイント)となった。
2018年6月に公開された改訂版コーポレートガバナンス・コードにおいて、社長・CEOの選解任に関する手続きにおける客観性・透明性が、より強く求められるようになったが、社長・CEOの選任基準を整備している企業は50社で、全体の8%(前年比+3ポイント)にとどまった。
- 社長・CEO専任基準……50社
- 取締役・執行役員専任基準……161社
- 社外取締役専任基準……93社
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