「常識でしょ」「言ったよね?」「やる気あるの?」――。 疲れを倍増させる上司のセリフとは
上司の配慮に欠いたひと言で疲れが倍増
会社員はどんなときに“疲れ”を感じるのか。養命酒製造株式会社がビジネスパーソンを対象に行った「東京で働くビジネスパーソンの疲れの実態に関する調査」(20歳~59歳のビジネスパーソン1,000名が対象)によると、「疲れを感じている」という項目に対して、「非常にあてはまる」と答えた人は34.6%、「ややあてはまる」と答えた人は45.2%にのぼった。合計すると79.8%――。すなわち東京で働くビジネスパーソンの大多数が疲れているということだ。
男女別にみると、男性が76.4%なのに対して、女性は83.2%と、女性のほうが高い傾向にある。さらに年代別にみると、20代(82.0%)、30代(76.6%)、40代(82.8%)、50代(78.3%)となっており、とりわけ20代と40代が疲れを感じているようだ。
次に、「これまでに上司のセリフで疲れが倍増した経験があるか」と聞いたところ、「疲れが倍増した経験がある」は41.0%、「疲れが倍増した経験はない」は59.0%となり、上司のセリフが疲れの要因になったことがあるという人が4割強もいた。では具体的にどのような言葉で疲れが倍増したのだろうか。上司のセリフで疲れが倍増した経験がある人(410名)に質問したところ、以下のような結果となった(上位5位を記載)。
・「常識でしょ/当たり前でしょ」(24.4%)
・「前にも言ったよね?」(23.9%)
・「まだ終わらないの?/仕事遅いね」(21.0%)
・「そんなことも出来ないの?」(20.7%)
・「やる気あるの?」(17.3%)
いずれも嫌味の込められた言葉である。こんなセリフを言われたら、誰だった疲れるし、モチベーションが低下すると容易に想像が付く。他にも、「自分で考えてやれ/勝手にやるな」(15.9%)や「忙しいから後にして/なんで早く言わないの?」(13.4%)といった矛盾した指示も上位に挙がった。
心理的要因が仕事の行き詰まりにつながる
ビジネスパーソンたちは、仕事中に貯まった疲れやストレスを日々どのようにして解消しているのだろうか。株式会社クリエイトが現役サラリーマン500人を対象に行った「仕事の行き詰まりやリフレッシュ方法に関するアンケート」によると、「最近1年の間で、最も仕事に行き詰まったと感じた時、原因はどのようなものですか」という問いに対して以下のような回答が集まった(10%以上のものを記載)。
・解決策が見つからない(24%)
・仕事で失敗した(18%)
・疲れて考えられない(12%)
・漠然とした無力感(11%)
・仕事相手が動かない(11%)
・人間関係で失敗した(10%
ではこうした行き詰まりを、どのように緩和し、乗り切っているのだろうか。仕事中のリフレッシュ方法としては、「飲み物を飲む」、「しばらく席を離れる」、「同僚に相談する」、「別の仕事をしてみる」、「同僚と雑談する」、「お菓子をつまむ」、「ストレッチをする」などが挙がった。続いて回答者から寄せられたコメントも紹介しよう。
・「人間関係の破綻。先輩・上司共に関係が悪く、仕事のやる気を一切失った」(25歳・女性)
・「新たな分野での仕事で、自分なりのプロセスを引いて仕事を行ってみたが、上手く行かずに行き詰まって困ったことがあった」(38歳・男性)
・「考えたアイデアがすべて部長に否定されて、おまけに部長からのヘルプは一切ない。どうすればいいだろう、と方向性を失った」(34歳・女性)
これらの声から察するに、仕事の行き詰まりは、心理的要因が大きいようだ。行き詰まった、ちょっとした息抜きが解決の一助となる場合も多い。
言葉には疲れを半減させる力もある
仕事を行き詰まらせる心理的要因を、軽減させることはできないのだろうか。前述の養命酒製造の調査では「疲れを倍増させる上司のセリフ」とは反対に、「疲れを半減させる上司のセリフ」も尋ねている。結果は以下の通りだ(上位5位を記載)、
・「君がいると安心だ!いつも頼りにしてるよ」(21.3%)
・「すごいね、よくやった!期待以上の出来だ」(20.1%)
・「君の心配りや優しさにはいつも感謝してる」(17.3%)
・「○○さんじゃないとこの仕事はできなかった」(15.9%)
・「ありがとう!君の頑張りのおかげで成功した」(14.4%)
上司のセリフに自分に対する信頼感や高評価が含まれると、やはり疲れは半減するようだ。これを男女別に見てみよう。女性のほうが効果が高いのは以下のセリフとなっている。
・「君の仕事ぶりを周りの人は褒めているよ」(男性7.6%、女性17.0%)
・「君の心配りや優しさにはいつも感謝してる」(男性13.4%、女性21.2%)
・「ありがとう!君の頑張りのおかげで成功した」(男性10.8%、女性18.0%)
・「君がいると安心だ!いつも頼りにしてるよ」(17.8%、24.8%)
このように、言葉には使い方一つで、受け取る側の疲れを倍増させり、半減させたりする力があるといえるだろう。組織や人と関わって働く以上、立場に関係なく、周囲への気遣いや気配りが欠かせない。
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